更新履歴 - 2025
日付+更新内容をクリックすると、SNSにて更新報告の際に載せた文章が出ます。
■7月
炎。炎だと、お前が?
ああ、それもまた、─── 解釈違いだ。
■6月
ああ分かっていた、こうなることは。
お前はそういう奴だと、閉ざされた向こう側で鋼が吐き捨てた。
鈍色に鋼が滲む。無意識に、少しずつ、僅かに、微かながら。
■5月
青雉の口から少しばかり語られる過去の自分は、……何ともまぁ、危うかったものだ。
それが嵐の前兆だったのだと、気づける者はいなかった。
■4月
とある島、夜が明けるその間際。
朝焼けがにじむシャボンを視界の端に、男は陽が昇る水平線を見つめていた。
たとえ幾百幾千もの朝を迎えても、裏地がカーキ色の白いマントを羽織る男に、星はいまだ夜明けを報せない。
影響し合う自称雑用と航海士のタッグは厄介なことこの上ない、と思いながらも剣士は口を噤んで言葉を喉の奥に押し込んだ。
■3月
とある砂漠の国、その王宮、王女の自室。
「私のあのひとが寝取られた気配がする!?!?」
唐突に絶叫した王女を慣れた様子で見上げ、語弊が凄まじい、という意味を含んだ声音でカルーは小さく鳴いた。
男としては、惚れた女には安心だけされては困るけれど、最初にそう仕向けたのは自分なので何も言えない。
■2月
記憶の欠片は降り積もり、白い痩躯の空白を埋めていく。ほんの僅かな欠片から伝わる愛を、まざまざと思い知らせながら。
だから、ねぇ。
あなた達が望む方を、どうか呼んで。
それだけは私は、私で在れるのですから。
私はわたし。わたしも私。
からっぽな器に生まれた自我ほど脆いものはない。
だから、
■1月
にじみ、比重が傾き、そうして鈍色を鋼が拭う。
こういったものにさらされないように、傭兵の一族は顔を隠す被り物をあの子に与えた。
こういったものに煩わされないように、砂の国の王女は顔を隠す被り物をあの子に許したのだ。
キツネは知恵が働くがゆえに、“あれ”がはらむ危険性をこの世の誰よりも本能で理解していた。
少しずつ成長しているその恋心を、今だけは横に置いておく。
恋愛初心者は男心を甘く見すぎている。
各自出場種目が決定。
自分の名前の隣に「役職:雑用」と書いた白い仲間を麦わらの一味は物言いたげに見て、けれど当の本人とその相棒は素知らぬ顔で流した。
...2024
...2023
...2022
...2021
...2020
...2019
index